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ぽちお君とのさいごのお別れのLOG   1



ぽちお君頑張ったけど…2002年 4月16日 火曜日

at 2002 04/17 20:16 

ぽちお君頑張ったけど…その生涯を終えました。家に来て1年4ヶ月でした。過去ログにある通り、轢き逃げに遭ったところを助けてしまった、ワン子なので本当の年齢はわかりません。

4/14日夜01:00ごろまた出血が見られたのです。先月の19日以来、時折鼻や口からの出血が見られ、また時々熱が出たので看病したりして闘病記をお休みしていました。いつまで生きられるかわからないことは、すでに家に来たときから老犬で、腰の故障(多分いじめられて腰の骨が陥没して不自由が利かない)、皮膚のガン、白内障、小さいときからきちんとした犬としての食事やお菓子をもらっていないために、歯石は全ての歯を刻して化石のような状態に…そしてその歯が抜け落ちていたり、何かに削られた兆候もある。生活していてひどい歯槽膿漏で苦しんでいた。またおなかには虐待のあとでもある刺し傷は3箇所。そんな生い立ちのワン子だったし、命に別状はなくても、吠えることができないように声帯を切り取る手術を施されていてめったなことでは、声も出せませんでした。

10年以上は生きて来ているように見えるから、長生きは出来ないと思っていたので、ぽちおくんの体調が悪くなったら、他のことは置いておいてでもいっしょに入れるだけ居てあげたいと思っていました。

今回の出血もも前回の出血と同様止血剤を飲ませても効果がなく、深夜今までかかっていた先生が体調を悪くされたので、救急医療を断っていたいきさつを聞き、申し訳ないと思って、前回知り合いの方に紹介いただいた病院で診て貰いましたが、結果から先に言えば、どちらの病院に行っていても、多少の延命は出来たとしても、あまり生きられる可能性は変わらない事が火葬してわかりました。

新しい先生の方も、非常に一生懸命治療して下さいました。血液を止める注射のほかに、流れ出た大量の血液を補充する栄養剤など色々深夜二時半から朝方4時半までじっくり様子を見ながら治療していただいたのです。

最後に止血の意味での筋肉の弛緩剤が、思ったより老化しているぽちおくんの身体には強かったのかもしれません。家に着いて筋肉弛緩剤で体の力の抜けたぽちおくんをいつも私と寝ているベッドに横たえました。

なかなか寝付けず、朝7時ころ眠りについてしまったのですが、4/14昼12時25分に呼吸が停止した模様です。私はぽちおくんの呼吸が停止した直後に目を覚ましたのですが、ぽちおくんの心臓はまだはっきりと動いていました。すぐに新しい先生に電話をしたのですが。「呼吸が停止していたら手のうち様がない。お力になれず申し訳ありません。」といわれてしまったので、人口マッサージ心肺マッサージなどはしたものの、あきらめてしまいました。

ところが、ぽちおくんの心臓は止まらないのです。私は毎日のお散歩のときに、抱っこして「長生きするんだよ!今、ぽちおくんはみんなからとっても愛されているんだよ!」と毎日いい聞かせてきたからなのか、私に心配かけさせまいとしたのか、身体の方が先に逝ってしまってもなお生きたいと思っていてくれていたからなのか、理由はわかりません。

呼吸が止まって瞳孔が開いて目に力がなくなって、素人が見る限りでも死んでいるとわかる状態でしたが、ぽちおくんの心臓は夜になっても動いていて彼の呼吸停止から心臓がはっきり停止したのは夜の11時を過ぎていました。私があきらめなければ蘇生したのかも知れません。でも火葬して火葬場の担当の方から、「この子はよく頑張りましたね。生きられる以上のの生きる力を使っています。内臓にもこれだけの血液が出ていれば、本当によく頑張ったと思います」と言われました。

呼吸が停止してから十時間以上心臓鼓動を打っていたので、頭も耳も後ろ足も硬く冷たくなっているのに、胸と前足だけはずっと温かいままでした。前足にも脈を感じました。心臓が動いているうちは死んだと思えなくてどうしても火葬の予約が出来ませんでした。

脈を感じにくくなってからから氷を買いに行き、ぽちおくんの体が痛まないように冷やしましたが、時折帰って来るようで、脈は打ったり消えたりしていました。一定部分だけは血流があるわけなので、氷で冷やしても胸と前足はいつまでも温かく、火葬場の方の言葉を聞くまでは、病院をもとの先生のところにしていけばよかったのではないかとか、自問自答して長く苦しい時間を過ごしました。

でも私たちのために(多分)生き様としてくれたぽちおくんの苦しみはもっと苦しかったと思います。何度も何度も「この辛い身体から転生して新しい身体をもらって、またわたしたちのところに帰っておいでね!」と言って聞かせても、心臓だけは動いていたのです。

殆ど眠れないまま、ぽちおくんの腕を握りながら横になって一緒に眠るいつもの「寝る体勢」で何度もぽちおくんの顔をなでながら、脈を確認しながら長い夜を過ごしました。4/15日午前12時30分ごろ、殆ど脈を感じなくなったので、火葬場に電話し午後4時の火葬の予約を取りました。火葬の支度をしては一段落したら、またぽちおくんの手を握って横になるそうして出棺の時間を迎えました。

何度も何度も自分自身にけじめと切り替えをつけさせるための様にもにも聞こえるけれど、「生まれ変わったら、あなたを悲しませる所に行かないで私たちのところにすぐに来るんだよ!」と話し掛けました。

火葬の詳細は明日にでも書きます。また来てください


筋肉弛緩剤

at 2002 04/17 20:17

私の思い…筋肉弛緩剤の件は新しい先生も良かれと思ってやったことで、死なすためにやったのではないので、決して恨みつらみはありません。日記にもあるように、感謝しています。

ただ、私自身の心に心残りがあるのです。「やっぱり林田先生に救急医療をはじめたとのメールをいただいたのだから、林田先生のお力を借りればよかった」と、すごく後悔して悩んでしまいました。死ぬ時期を早くしたのは新しい先生ではなくて、私自身の選択の問題だったと…。でも、もっと生き長らえても、出血を根本的に治療する方法はぽちおくんの年齢では非常に難しいことも、素人ながらわかっているのです。

二つ目の後悔は、筋弛緩剤を打たれて、ぐったりしているぽちおくんをもても、新しい方の先生は「明日のお昼頃にはいつものように起き上がってきます。食欲がもしなくても大丈夫なほどの栄養剤が入っています。あなた方も家に着いてこの子を寝かせてあげたら、眠って大丈夫です。」と言われて、安心して眠ってしまったこと。
もちろん、もう息絶えゆくぽちおくんが、私たちも看病で疲れてるから、一緒に休んでね。と言う気持ちで寝かせてくれたのかもしれません。でも起きていれば、呼吸が止まる前に気がついてあげられたと思うのです。しかもほんのタッチの差…。30秒早く目を覚ませていれば、ぽちおくんは生きていて私自身の手でも人工呼吸や心肺マッサージで延命出来たかもしれない。

もうひとつの後悔は、息が止まっても新しい方の先生に「呼吸が止まったらなす術はありません」と言われてあきらめてしまったこと…結果2〜3日しか生きられない、ただの延命にしかならなかったとしても…いや、やるだけのことはやって絶命していたとしても…。

ですからぽちおくんに関わった方全ての方にとても感謝しているのです。ぽちおくんは優しいからいつまでも心臓だけが動きつづけていたのでしょう。火葬場でも優しくしてもらいました。最後の最後まで私とぽちおくんとデブ君が絡む病院の先生から散歩友達迄全ての方たちに感謝しています。そしてこういう心を私たちに「教えて」旅立ったぽちおくんに感謝してお別れをしてきました…火葬した結果かなりの内臓出血でぽちおくんは生きられる以上の生命力を持ってくれたので、限界だったのです。そして延命できても出血などで、何日か息絶えるまで、苦しい思いをしたと思います。

ただ、ひとつだけいえるのは、ぽちおくんは私のところに居たいけど、肉体は耐えられなくて、それでもぽちおくんは私がいつも言って聞かせる「あなたはもう、みんなに愛されているのよ。あなたはとっても愛されているのよ。だから安心するんですよ!」の言葉を何度でも聞きたくて、その言葉を聞いて安心して納得して天国に行きたいから10時間以上もはっきりと心臓が動いていたのかもしれません。




ぽちお君の出血ははじめて家に来たときから見られた。

at 2002 04/19 07:39

ひどい歯槽膿漏で歯石が歯茎を傷めていたから、時々シーツに血がついていた。新しく紹介された先生も、これだけの出血が出ることは非常に珍しく、稀な事であるとおっしゃっていた。そういうのもあって家族にはぽちお君の「便」の状態を私に知らせるようにいつも言っていた。色、形、形状(軟便等)、匂いに至るまで、なるべく観察させた。

もちろん私はぽちお君の便は、ふき取ってから必ず匂いをかいだ。生臭かったり、軟便だったり、色が黒いときは食事も体の中で腐敗しやすい動物性たんぱく質を抑えたりした。

でも思えば、おととしの12月に私の前にドラマのような状態で現れて、私のところに来たときには、幼児期や育ち盛りのときにきちんとした栄養を与えてもらっていないため、血管がもろく、一回弱ってしまうと際限なく弱ってしまう状態にあったのではないかと思う。

歯槽膿漏から来る出血だけなら、歯磨きなどで多少歯槽膿漏の煩わしさから救ってもあげれるが、レントゲンなどでは血管が詰まっていたりするのは見抜けるけれども、弱ってもろくなった血管である事を見つけるのは、どんなに名医でも難しいかもしれない。

だから、本当に長いこと生きられない、と言うことはなおさら感じていた。三月の法事のあと寂しがって私たちに甘えてきたのは、自分自身がもう長いことはないということを、ぽちおくんは知っていたのかもしれない。だから確かによく私のそばに来たし、とても甘えていたような気はする。

死んでしまう一週間前から、昼の日差しの暖かい時間には、ぽちおくんを連れて、お散歩も行くのだが、川沿いに座ってぽちおくんを抱いて、私の膝枕でよくまどろんでいた。暑くもなく寒くもないいい気候だったので、余計に気持ちがよかったのだと思う。膝枕でおとなしくワン子が寝ているのだから、通りかかる人は驚いていたけど、本当に私に体を預けて体の力を抜いてゆったりとまどろんだ顔で飽きるまですごしていた。


苦労して、悲しい思いをして、人間に虐げられてきたぽちお君には、ただ愛されている自身を少しでも持ってもらいたかった。家に来たばかりの頃は、熟睡していると、悲しい夢でも見ているのか「きゅんきゅん」と鼻で鳴いていた。

私は大概パソコンをやっていて遅くまで起きているからその声が聞こえると、私が起きている限り、必ずそばによって、可愛い前足を握り締めて、「あなたは一人じゃないのよ。おねいちゃんがそばにいるのよ!もう一人じゃないの。だから泣いちゃ駄目だよ。と話し掛けた。そうするとうっすらと目を開けて起きるけど、また眠そうな目を閉じて、眠ってしまったが、しばらくは手を離さないで、眠っている可愛い前足を握ってあげていた。

寂しかったであろう、辛かったであろうぽちおくんが死ぬまでに、少しでも愛を感じてくれればよかったのだ。そしてそれはぽちお君には通じていた。たしかに最初の三ヶ月くらいは、毎日寝入ると悲しそうに泣いていたが、毎日その前足を握って、話し掛けてあげたら、いつのまにかその夜泣きは一切しなくなった。

他人から見れば、たかが犬になんで其処までと思うかもしれないが、長生きできないとわかっているワン子に、普通の犬のくらしをさせるほうが酷であると私は思った。犬だって人間を愛したい。愛されて居たい。普通犬を飼えば8年から15〜6年の年月の中で長く愛すればいい。でもぽちおくんには時間がなかった。10年分愛してあげたいと、私は純粋に思った。

いじめられた犬は…

at 2002 04/20 07:02 

新しい飼い主の元に行っても、その心の傷を心の奥に残しています。これ以上は愛せないよ!と言う思いで接したぽちおくんでしたが、頭をなでようと、普通に優しく頭に手をかざしても、「殴られる」と勘違いして一瞬おびえ「ビクッ」としたしぐさをしました。

その姿は、物言わぬぽちおくんの悲しい過去を物語っているようです。毎日殴られていたのかもしれません。事あるごとに殴られ、意味もなく殴られて来た情景が目に浮かんで悲しくなる一瞬でした。確かに小さい頃はしつけとして少々殴ったりもあると思いますが、基本的には望ましいことではありません。

もちろんおなかを出して眠ることもありませんでした。私が抱っこすればおなかを見せても抵抗しなくなりましたが、家に来たばかりの頃は、おなかを刃物で刺された経験をもつぽちおくんは、また刺されると思ったのでしょう。必死で逃げようとしました。もちろん飼ってすぐ見つかったわけではなく、毎日毛づくろいでブラッシングしたり抱っこしているうちに、刺し傷を発見したわけで…なぜおなかを見せないのかその傷を見たときに解ったのです。

前飼っていた子は、もちろん望まれて家に来たわけで、最初から愛され慈しまれ、本当の娘の私より大事なんじゃないか?と錯覚するほど父も溺愛していましたから、のこちゃんも最初から無条件で私たちを信用してくれて、私がなでれば「パカッ」とおなかを出して足を広げてしまいました。

ぽちおくんの場合、私が引き取る直前に車に轢かれたことはそれほどの心の傷ではないようですが、時折車のヘッドライトが急速に近づいてきたときや、派手なクラクションにおびえて立ち止まり身を竦めました。そういうときにはいつも、「おねいちゃんがついてるから大丈夫よ。おねいちゃんが守ってあげるから大丈夫よ。」と話し掛け、道路の端に寄せて抱っこして何度も話し掛けました。

でも、それを大変だとは思わなかったし、むしろ守るものが出来てとても嬉しく生活していけました。ここまで心も身体も傷ついたワンこを飼うのははじめてでしたので、反応がわからず、最初はおっかなびっくりでしたが…掲示板のぽちおくん友達が、わたしとぽちおくんのために、大事な時間を割いてレスをくれたり、メールをくれたり、特別な画像にぽちおくんの名前をつけていただいたり…。

優しい心のぽちおくんのお陰で、みんなに優しくしていただいて本当に感謝しています。まだ私は頑張っているようで、お茶碗を割ったり、仕事を一個飛ばしちゃったり…立ち直れていませんが、私がいつまでも悲しんでいると、のこちゃんとぽちおくんはいつまでも生まれ変わって私のところに来てくれないから、頑張らないとね。

ぽちおくんがいじめられていつも殴られていた事は、悲しい現実ですが、そういうことが少しでもなくなれば嬉しいと思っています。少なくとも最初から悪意を持って生まれてくる人間がいないのと同じように、ワン子も悪意をもって生まれてくてるわけではありません。

吠えたり噛んだりするのは、確かに生まれながらに気性の激しい犬種や個体差がありますが、人間がきちんとした躾をすれば、きちんと共存できるワン子が殆どです。立派な牙を持ち狩をしていた記憶のある生き物ですから、攻撃性があるのは否めませんが、躾ればいうことを聞いてくれるのが普通です。

ただ、躾る訓練するの前に、信頼関係が出来ていなければいけないと思います。自分の手元に来たワン子は信じてあげてください…。でなければ訓練の意味はありません…。



本当に晩年のぽちおくんは…

at 2002 04/22 23:00 

こんなに可愛い顔で幸せになってくれたみたい…。まるでキューピーさんのような顔が可愛い…。自分の中では100パーセント幸せにしてあげられなかったような気がするけど、ぽちおくんは私に抱っこされると、いつもとくいそうにしていた。

こうして抱っこして歩いていると、知らない年配のご夫人方の団体さんが後ろから「大事にされているワンちゃんの顔は違うわね〜」と声をかけてもらったことがある。

そういう顔をしていてもらったことが、今思うととても嬉しい




http://c2c-2.rocketbeach.com/~lucky777/pochio.oneidakkokaonasi0288.gif


火葬場の話しは辛いけど…

at 2002 04/25 06:13 

でも書いて、その辛さも私とぽちおくんの歴史の一ページだから。ぽちおくんの心臓は殆ど動かなくなってしまってから、火葬場の方に連絡をした。4/5。時間的にはある程度都合がつけられる仕事であるからいつでもよかったが、少しでもふわふわしたまるで眠って日の12時30分ごろにしたいるような、ぽちおくんと一緒に居たくて、午後の4時に予約をとった。

予約はぽちおくんの呼吸だけが止まって12時間後の事だ。腰から下の足の部分はもう冷たく固いのに心臓だけが動いていたので、胸や前足が温かく、本来末梢部分である尻尾も冷たくなっているのが普通だが脊髄に血液が運ばれていたわけで、可愛くふさふさの尻尾の芯さえまだ温かい。

結局、火葬の予約を取ったあとは、悲しみと後悔と口惜しさと、色々な感情が入り混じって神経が高ぶり眠れなかった。家族みんなで撫でたり、お菓子やおやつやご飯を供えたり、お花を手配したりして、みんなで銘々ぽちおくんにお別れをして…

そして、私はいつも同じベッドで眠る同じ体勢にして、身体を撫で、可愛い足を握りながら、なるべく横になって、いつものように一緒に眠るような形だけは取り繕っていた。

夜半を過ぎてもぽちおくんの前足は温かく、夜が明けて昼ごろになっても、心臓と前足は温かさの名残があり、とっくに硬くなってしまった後ろ足とは全く異なっていた。

私と、家族の一人(弟ですが)が、一緒にある誓いを立て、それを綺麗な紙に書いて、小さな封筒にしまった。また、人間界ではしてはいけないことだが、私と、誓いを立てた二人の髪の毛を少し切り、その封筒に入れた。何故そんなことをしたか?苦しく辛い経験をしてきたぽちおくんはきっと、早くに天国の上の階級に行ってしまい、きっと生まれ変わってくると信じている。だからぽちおくんを今まで苦しめてきた環境に生まれ返らないよう、まっすぐに私たちを見つけられるよう、髪の毛を持たせた。

銀行に行って火葬代金を用立てたり、そういう細かい送るための準備以外は、家族の誰かがぽちおくんのそばにいて交代で作業をした。そうしているうちに、ぽちおくんを出棺する時間がやってきた。

私は、ぽちおくんは絶対に箱に入れて運びたくなかったので、シーツに刳るんで、いつも私が抱っこしているように抱っこして、家から火葬場まで約一時間を、この子を抱くのがこれで最後だから…と言う思いと、この可愛い顔、綺麗な毛並みその全てを忘れないように、少しきつく抱きしめた。

4時5分ほど前に火葬場についた。ぽちおくんを抱いて火葬場に入っていくと、いつもボン君という男の子のワン子がいるのだが、真っ先にぽちおくんを抱っこしたまま連れて行った。ボン君は何回もここのお寺で火葬されるのを見てるのだから、ぽちおくん蛾最後のお別れに来たことにすぐに気が付いて、とても悲しそうな声で鳴いた。

ボン君とお別れの挨拶をしていたら、いつも火葬してくれる担当の方(社長さん)が来て、「えー??死んじゃったのはその子だったの?」と、驚いていた。いつものようにうさぎの火葬だと思っていたようだった。

ついこの間、うさぎの勇太君を一緒に見送りに着てくれたぽちお君が逝ってしまったので、担当の方も少しショックだったように感じられた。

そしてぽちおくんの苦しい思いで生きてきた身体を焼くお釜に案内され、いつも火葬のときは書いているのだが、殆ど人間の火葬と変わらず、お供物や御花等を飾り付けてあげる。そして、ホワイトボードに、送る言葉を書いて、準備が出来たらお焼香をしてあげるのだ。

たくさんのお菓子とたくさんの御花に囲まれて綺麗になった頃、いよいよ、私たちはぽちおくんと、本当の最後のお別れをしなければならない。「それでは、思い残すことの無いように身体をなでてあげてください。そして納得がいきましたら、このお線香を手向けてあげてください」と、係りの人に促される…

一緒に行った家族のみんなが、ぽちおくんのかわいい顔と頭を撫で、可愛い前足を握り、そして最後に私たちが書いた誓いの手紙と髪の毛を入れた封筒をおなかに置いてあげた。私は何度もぽちおくんのかわいいほっぺにキスをして、最後のぽちおくんに匂いをかいだ。

さあ、それが済んだら私たちは祭壇の前で手を合わせて、ぽちおくんがお釜に消えていくのを見守る。係りの方が、ぽちおくんをお釜の中に静かに入れる。可愛い頭だけが見える。そして「では、最後のお別れです。ぽちおくんが生まれ変わったら、またあなたたち家族のところにいけるように、合掌してください」といわれる。

そしてお釜のふたが閉まり、三段階に分けて点火作業が施された。ゴーっと火が起こる音が私たちの涙を誘う。火がついたとたん、まだ少し暖かかったぽちおくんはびっくりして起きるのではないか?と私はしばらくお釜の前で耳を澄ませたりした。やっぱり起きてきてはくれなかったけど…

そうして再度合掌して、焼き場を離れ、待合室で45分ほどまつ。今の火葬は煙自体はでないものの煙のような陽炎に似た煙が上がっていく。火葬に立ち会ったみんなが涙ボロボロであったが、その煙を声もなく、しばらく見つめていた。



ああ、全部書こうと思ったがきょうはこれまで…続きを書くね…



 
 
 

 

 
 
 
 
 
 
 

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